二人
少し昔の話をしよう。
俺が道を踏み外したのは、中3の春だった。
それまで俺は普通に勉強して、部活して…。
取り敢えず平凡な毎日を送っていた。
…家に帰っても両親死んじゃってたから、じいちゃんしかいない、っていうのは平凡じゃないか。
そんなある日、俺の親友の財布が盗まれる事件があった。
その日はたまたま彼の習い事の月謝の日だったらしく、3万程度入ってた。
『鈴鹿!!お前じゃねぇの?お前、ギター欲しいって言ってたじゃん』
『あー、だって昨日トイレ行くとか言って、急いで俺らと一回別れたじゃん』
俺はそんな覚えがないのに、悪乗りで犯人扱いされた。
それが担任の耳に入ったらしく、担任に呼び出された。