二人
「愛さま!!」
近くにいた40歳くらいの女の人が叫んだ。
池にはさっき俺がぶつかってしまった人がおぼれている。
女の子だった。
でも普通の溺れ方じゃない。
彼女の溺れ方はどこか変だった。
今にも沈んでしまいそう…。
そう思っていたら、勝手に体が動き、制服のまま池に飛び込んでいた。
「ごめん!!大丈夫か?俺の肩につかまれる?」
コクリ
彼女は首を縦に振り、俺は彼女の腕を俺の首に巻き付け、泳いだ。
「京、頼む」
「分かってる」
俺は京に女の子を水からあげるよう頼んだ。
他の連中も手伝ってくれた。
彼女は水からあがると、息を荒げていた。