二人

「だから、一さまには気をつけて。あなたを一目見ただけで、ひどい事をするかもしれない」



「あ…えっ!?いつの間に俺またここ来る事になってる?」



俺がビックリして垣野さんを見ると、垣野さんも愛さんも笑っていた。



「え、何で笑っ!??」



「あなた、面白いわね。もちろん来てもらうわよ。まず、それ洗濯して返してもらわないと」



垣野さんはそう言って俺が借りた服を指差した。



「それ、一さまの付き人で一緒に出かけてる人のだから。それに…私あなたが気に入ったわ」



そう垣野さんが言うと愛さんも自分を指差した。



「じゃあ、決まりね。来て欲しくて一さまがいない時に連絡するよ」



何か無理矢理で、いつもならキレるはずなのにそのタイミングを掴めなかった。

仕方なく垣野さんに電話番号を教えた。

< 23 / 58 >

この作品をシェア

pagetop