二人
「だから、一さまには気をつけて。あなたを一目見ただけで、ひどい事をするかもしれない」
「あ…えっ!?いつの間に俺またここ来る事になってる?」
俺がビックリして垣野さんを見ると、垣野さんも愛さんも笑っていた。
「え、何で笑っ!??」
「あなた、面白いわね。もちろん来てもらうわよ。まず、それ洗濯して返してもらわないと」
垣野さんはそう言って俺が借りた服を指差した。
「それ、一さまの付き人で一緒に出かけてる人のだから。それに…私あなたが気に入ったわ」
そう垣野さんが言うと愛さんも自分を指差した。
「じゃあ、決まりね。来て欲しくて一さまがいない時に連絡するよ」
何か無理矢理で、いつもならキレるはずなのにそのタイミングを掴めなかった。
仕方なく垣野さんに電話番号を教えた。