二人
俺は鞄に濡れた制服を詰め込んだ。
「本当に今日はすいませんでした。服もありがとうございます。2,3日たったら服、返しに来ます」
「待ってますね」
垣野さんはにっこり笑って送り出してくれた。
門から出ようとした時、誰かにいきなり腕をつかまれた。
ビックリして振り返ると、俯いた愛さん。
「どうした?」
俺がそう聞くと、愛さんは二つに折った白い紙を俺に手渡した。
「…俺に?」
コクリ
愛さんはうなずいた。
「今読んだ方がいい?」
コクリ
また愛さんはうなずいた。