二人
Ⅱ章 障害
貸してもらった服をすぐに洗って、乾燥機で乾かして、次の日に返しに行った。
正門ではなく、裏門のインターホンを押した。
そっちのほうが、垣野さんに会いやすいと思ったからだ。
「垣野さん!!鈴鹿大樹です」
俺がインターホンにそう言うと、すぐに女の人が出てきた。
しかし、その人は垣野さんではなかった。
俺はやばい、と思って逃げようとした。
「大樹さまでしょう?垣野さんから聞いてるわ。垣野さんと愛さまはいないけれど、入って」
その人はそう言って家の中に入っていった。
俺は少し緊張しながら家に入った。