二人

あれから一週間が経ったのだが、何だかんだ行けるチャンスがなくて…ここまで来てしまった。



もう一度行きたいなあ、と思っていた時だった。

俺が学校に行くと、うちの担任が俺に封筒を差し出してきた。
そこには『華池学園高等学校 鈴鹿大樹様』とだけ書いてあり、送り主の名前は書かれていなかった。



「誰だし。俺に手紙出すなら、学校通じてじゃなくて家に直接出せばいいのに」



そう一人でブツブツ言いながら、封筒を破った。

そこから出てきたのは、白い便箋が2枚。


そのうちの一枚を見た瞬間、俺は固った。



震えているが堂々とした字。

点字。

極めつけは、最後に書かれた『まな』。



その手紙は愛さんからの手紙だった。

< 28 / 58 >

この作品をシェア

pagetop