二人
「おい、大樹!!そんな急いでどこ行くんだよ」
俺が美波に用事があると、一緒に帰るのを断って、教室から飛び出すと、京に引き止められた。
「美波ちゃんと帰んねぇの?」
「あいつには用があるからって言ったけど」
「用って?」
「…お前、女みたいにしつこいな。これから愛の家に行くんだよ。あの池にドボンの。京も行く?」
そう俺が京に聞くと、一瞬顔がひきつっていたが、すぐに笑顔になり、
「…行ってみようかな」
と答えた。
そして俺らは校門を走り抜けた。