二人
「ありがとう、大樹くん。あ、この前のお友達?」
「連れて来ちゃやばかったかな」
「まさか!!今ね、愛さまのお友達も来てるの。二階の右側一番奥の部屋だから。私はお菓子を持って来るね」
俺らがそう垣野さんに言われて彼女が奥の部屋に消えると、でかいホールのようなところに、2人で残された。
目の前には大きな、よくヨーロッパとかの貴族がいそうな、取り敢えずすごい階段がある。
「これ…のぼんの?土足で?」
「いや、靴箱という靴箱ないし、なにせ玄関がどこまでか分からんし」
俺たちは恐る恐る赤絨毯を踏みながら二階に上がって、右側一番奥の部屋をノックした。