二人

俺らが引きずられていると、何か異変に気付いたらしい垣野さんが階段を上がってきた。



「大樹くん!!?」



垣野さんは俺らに気付くなり、そう叫んだ。
そしてすぐにその後ろに愛の父親がいるのにも気付いた。



「は、一さま!!」



「垣野、お前こいつらのことを知っているのか?」



「えっ!?」



垣野さんは、困った表情をして俺を見る。
俺は頷いた。



「大樹くんたちは薫ちゃんのお友達なんです。だから入れてあげました」



「言ってあるだろう?こういう奴は入れるなと。もう二度とするなよ」



「は、はい…」



垣野さんはそう言って俺を見た。
俺は笑顔を見せた。
垣野さんもそれを見て笑い、愛の部屋へ走って向かっていった。



そして俺らは玄関の外に投げ出されると、玄関のドアは勢いよく閉められた。

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