二人

借りるのは面倒だからコピーをとった。
それを苦労しながら読み進めていくと、どこか見覚えのある物の写真があった。

それは点字を紙に打つ機械のようなものらしい。


俺は全く無縁そうな物になぜ見覚えがあったのかが不思議だった。





「じいちゃん!!これ何?」



『これはね、目の見えない人も字が読めるすごい機械なんだよ』



「へぇ。おれもやる!!」





俺はふとじいちゃんとちびの頃使ったことがあるのを思い出した。

そして図書館であるにもかかわらず、じいちゃんに電話をかけた。



「じいちゃん!!」



『大樹、どうした?』



「うちに点字打つやつある?」



『ああ、あるよ』



「じゃあ出しといて!!」



俺はじいちゃんの"ある"という言葉を聞いて図書館を走り出た。

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