二人
結構な時間、ぼーっと二人でのんびり過ごした。
特に話すこともなく。
でもそれだけでも、心が癒されたっていうか…。
うん、落ち着いたかな。
「ごめん、愛。ちょっとトイレ行ってくる」
俺が立ち上がって愛を見るとコクリと笑って頷いた。
俺は急いでトイレに向かう。
間違いだった。
愛を一人にさせたのは。
俺が帰って来たとき、愛の目の前に人が立っていた。
俺は驚きで心臓は口から飛び出そうなくらいになった。
愛の目の前に立っていたのは、富永美波―俺の彼女―だったのだ。