二人
Ⅰ章 闇からのはじまり
ワックスでツンツンたてた明るい茶髪。
耳に溢れるほどついたピアス。
三つ目まで開いたボタン。
そこから見せる十字架のネックレス。
かなり緩めたネクタイ。
人はそういう人を"チャラい"だとか、"怖そう"だとか、ヒドい時だとそんな格好してるだけで"不良"だとか言う。
実際、自分でも不良だと自覚してるから、別にいい。
俺 ―鈴鹿 大樹― は、今、駅前で彼女を待っている。