月姫の祈り

里のみんなの為だと思っていた願いが、余計に私を孤独にしていった。

(げつ)そんな私を、ずっと変わらず見ていてくれた。
私をたった一人の女の子として、ずっと見ていてくれたんだね。


(げつ)の美しい心に触れて、私は今日、やっと本当の自分になれた気がした。

ーー伝えたい。


「っ……あ、あのね。(げつ)、私ーー……」

ダアァーーーンッ!!!!

ようやく自信を持って、気持ちを言える。
そう思った私の想い(ことば)を、初めて耳にする音が遮った。
< 22 / 42 >

この作品をシェア

pagetop