月姫の祈り
これが、月の魂。
新たな時代へ、この光を送るーー。
「……ゼロじゃ、ないんですよね?」
(え?)
「私が彼と同じ時代に生まれ変わって逢える確率は、ゼロじゃないんですよね?」
(……。貴女は、強い人ですね)
ハッキリとは答えず、謎の声は私の問いかけに、そう言った。
諦めが悪い。
きっと、そう思われたに違いない。
……でも、仕方ないじゃない。
彼にもう一度逢いたいと、思ってしまった。
そしてその時こそ……。
今度こそ、彼に私の気持ちをーー。
「……先に行って、待ってて?今度は私が、貴方を迎えに行くから!」
そう言って微笑んだら、白金色の魂は答えるように眩い光を放って……。私の目の前から、消えた。
……
…………。