月姫の祈り
「言っただろ?お前の夢は、俺が絶対に叶えてやる」
「っ……月ッ」
「言えよ。お前の、本当の願い」
彼の言葉と真っ直ぐな強い眼差しに、導かれるーー。
気付いたら。差し出された左手を取って、私は窓から外の世界へ出ていた。
愛おしい彼の腕の中で、本当の願いを呟く。
「月!私を、ここから連れ去ってッ……」
「おうっ、当たり前だ!」
月の言葉と笑顔に、もう迷いなんてなくなった。
力強い腕に抱き上げられて、怖いものなんて何もない。私は地の果てまで、彼と共に行こうと思った。