エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
一気にまくし立てて三船さんの反応を待つが、彼はしばらくなにも言わなかった。
おかしいな……すぐにサクッと賛同してもらえると思ったんだけど。
じっとしていたらますます寒くなってきて、身を縮めながら二の腕をさする。
その時、背後で窓が開く音がした。振り向いた瞬間、津雲さんがブランケットを広げて、私の体にかけてくれた。
「あ、ありがとうございます……」
スマホを顔から離して、小声でお礼を言う。津雲さんは小さく微笑んで、すぐに部屋の中に戻っていった。
優しい……。私の電話の相手が三船さんだとは、思いもしてないんだろうな。なんだか彼を欺いているようで、罪悪感が湧く。
やがて、ずっと黙っていた三船さんが話しだす。
『俺と見合いする気がまったくないっていう、和香菜ちゃんの気持ちはわかった。それでも、形だけでいいから、一度だけ会ってくれないかな? 職業柄、嘘をつくのって、なんとなく気が引けるんだ。和香菜ちゃんもそうじゃない?』