エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
『で、どうするの?』
完全に勝利を確信した調子で、三船さんが問いかけてくる。私は津雲さんばりに眉間にしわを寄せ、泣く泣く白旗を上げた。
「……一度、食事をする〝だけ〟でいいんですね?」
『ありがと。なんか無理やりでごめんね。じゃ、これから仕事だからまた改めて連絡する』
せめてもの抵抗で『だけ』を強調したつもりだったのに、三船さんは完全にスルーしてあっさり電話を切ってしまった。
なんか、どっと疲れた……。もう、次の連絡が来るまで、彼のことは頭から追い出そう……。
バルコニーから部屋の中に戻ると、ダイニングテーブルに美味しそうな朝食が並んでいた。
さっき津雲さんが焼いていた鶏肉の味噌漬けに、ご飯、お味噌汁、白菜のお浸し、温泉卵。そういえば、彼の朝ご飯は和食が多いと言っていたっけ。
「おいしそう……」
「大したものじゃないけどな」
キッチンから出てきた津雲さんがそう言って、私の椅子を引いてくれる。