エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 食後、ふたりで手分けして夕飯の片づけを済ませ、先に和香菜にバスルームを貸した。

 その時の俺はすでに平常心ではなく、なにげなくつけたテレビを見ていても、心ここにあらずの状態で、そわそわしていた。

 和香菜を抱くのは初めてではないが、あの時は酔っていたから、ベッドまでの道のりを覚えていない。

 しかも勢いのままに抱き潰したため、彼女の小さな仕草や表情まで、気に留めている余裕がなかった。今思えば、なんてもったいないことを……という感じだ。

 だから、今夜はそんなふうには彼女を抱きたくない。

 じっくりと大切に触れ、愛しさを伝えて……彼女の心も体も、隅々まで甘く溶かしてやりたいんだ。

 つけっぱなしのテレビの前でそんな思いに浸っていると、風呂から上がった和香菜が部屋に戻ってきた。

「お待たせしました。津雲さんもお風呂どうぞ」

 はにかみながらソファに近づいてきた彼女が、化粧水やヘアオイルなどの、女性特有の花のようないい香りをさせながら、隣に座る。

 もこもこしたピンク色のパジャマ姿は愛らしく、乾かしたばかりの艶やかな長い髪、すっぴんに眼鏡という隙だらけの雰囲気に、男心をぐっとつかまれた。

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