エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「津雲さん……」
「和香菜は? 緊張してしまうから、今夜はやめたい?」
至近距離で見つめながら問いかける。彼女は大きな目で俺を睨みつけて言った。
「……も、黙秘します」
そのささやかな抵抗がかわいくて、俺は思わずクスクス笑ってしまった。
そんなんで、〝鬼畜の津雲〟から逃げられると思うのか?
「悪いがそれを吐かせるのが俺の仕事なんだ。……もう一度聞く。今から抱いていいか?」
真剣な目で再度問いかけた俺に、和香菜もとうとう観念して、真っ赤な顔でこくんと頷いた。
「よし。じゃあベッドに行くか」
言うが早いか、俺は素早く和香菜の背中と膝裏に手を入れて、彼女を抱き上げた。
「きゃっ……! ちょ、ちょっと津雲さん、私、自分で歩けます!」
慌てて俺の首にしがみついた和香菜が、足をじたばたさせて抵抗する。
「いいから大人しくしてろ。落っこちるぞ」
「だって、私、絶対重いのに……っ」
「完全に熟睡してた昨日よりは軽い」
「それ、喜べません……っ!」
和香菜は俺のからかいにムキになって口を尖らせていたが、寝室に入った途端に黙り込み、大人しくベッドに下ろされた。