エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
さっそく舞美の番号に電話をしてみると、電源が切られているのかつながらなかった。
俺は路上でタクシーをつかまえ、運転手に彼女のアパートの住所を告げた。
「なぁおい、どこに向かってるんだよ」
「菅原舞美という女のアパートだ。そこに手がかりがあるかも……って、なぜお前がついてくる!?」
タクシーが動き始めた瞬間、なぜか隣の座席にちゃっかり座る三船に気がつき、俺は不快感をあらわにした。
しかし三船はそんな俺の反応を無視し、「いいじゃん、悪者と戦うんだろ? 人数多いに越したことはない」などとふざけている。
「お前も悪者みたいなもんだろう。聞いたぞ、検事を辞めることになった理由」
「……ふうん。で、馬鹿だなぁって思ったわけ?」
冷めた目をして前方を睨む三船が、俺に問う。
「馬鹿だとはその前から思っている。しかし、いくら馬鹿でもさすがにそんなことはしないだろうというのが正直な感想だ。……お前、誰かをかばっているんじゃないのか?」
俺がそう尋ねると、三船は意外そうに目を丸くした。それからニヤニヤと締まりのない笑みを浮かべ、からかうように俺の顔を覗いてくる。