エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「和香菜」
「は、はい」
「後で……大事な話がある」
「大事な、話……?」

 ……なんだろう。いい話? 悪い話?

 彼の表情が見たいのに、濡れた前髪が顔を半分くらい隠してしまっていて、よくわからない。

「それって――」

 話の続きを聞こうとしたら、キスで唇を塞がれた。途端に体の力が抜けた私を彼の腕が抱き寄せ、それから耳元で囁いた。

「後でちゃんと話すから。今は、余計なことを考えずに、俺を見て……感じろ」
「津雲さ、……んっ」

 再びキスで黙らされ、思考能力を奪われてしまう。雨のように絶え間なく降り注ぐシャワーの中で、溺れそうになりながら、何度も唇を重ね、舌を吸い合う。

 それからたくさんのキスと甘い戯れで体も心も蕩けた頃。背中から優しく壁に押し付けられ、私たちは立ったままで体を繋げた。

「たまらないな……。和香菜と抱き合うのは」

 津雲さんが荒々し呼吸の合間にそう言って、欲情を溶かした視線で私を見つめる。

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