エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
副検事には、私のような検察事務官や法務事務官が三年以上その職に従事し、選考試験に合格すればなることができる。
また、副検事の職務を三年間経験すれば、そこから検事を目指す特別考試の受験資格が与えられる。
一度は諦めた検事の道を、再び目指すことができるのだ。
私は事務官として、津雲さんのそばで、ずっと彼の仕事を見て、サポートしてきた。
その中で、どうしても検事へのあこがれは強くなっていたけれど、両親に心配をかけたくないのなら、事務官でいるしかない。
そんなジレンマが、日に日に大きくなっていて。
「最近、津雲さんや、地検にいるほかの検事を見ていて、こんな時自分ならどうするだろうって考えることが増えてきたんです。もっと、直接的に被疑者と話がしたいって、歯痒く思うこともあります。私……事務官でいるだけでは届かない領域に、飛び込んでみたいんです」
ジッと彼を見つめながら真剣に語り掛けると、彼もまたまっすぐな眼差しを私に向けて問いかける。
「……今日は危険な目に遭ったばかりだが、それでもその思いは変わらないんだな?」
「はい。むしろ、覚悟は強くなりました」
迷わず頷いた私に、彼は唇を引き締めて頷いた。