エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「ぜひ、よろしくお願いします」
「ああ。早めに予定を聞いておいてくれ」
「はい、わかりました」
一旦話題が落ち着いたところで、津雲さんはチョコレートの箱に手を伸ばす。そしてひと粒摘まんで口に入れたところで、私は「ところで……」と切り出した。
「津雲さんの大事なお話というのは?」
そう尋ねた瞬間、彼がチョコレートをのどに詰まらせて「ゲホッ」と盛大にむせた。
「だ、大丈夫ですか? コーヒー飲んでください!」
「あ、ああ……」
カップを差し出すと、津雲さんはそれを受け取ってごくごくと一気にコーヒーを流し込む。
それから空になったカップをテーブルに置き、ふう、と息をつく。
「俺の話は……いいんだ。そんなにたいしたことじゃない」
津雲さんは私の方を見ずにそんなことを言った。
さっきはバスルームであんな意味深に予告しておいて、それはないんじゃないでしょうか。
「それでも気になります。話してください、津雲さん」
ずいっとお尻を彼の方に寄せてうつむきぎみの顔を覗くと、切れ長の瞳がちらりとこちらを向いた。そうして彼の口から発せられたのは、意外すぎるひと言。