エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる


「うまかったよ。和香菜が俺のために作ったと思うと、さらに甘く感じて」
「よかった。頑張った甲斐があります」

 ホッとして頬を緩めた私を、大雅さんが愛しげに目を細めて見つめる。

 頬に触れていた彼の手の親指が唇をなぞり、それから目を閉じた彼の顔が、ゆっくり近づいてきて。

「ん……」

 優しい口づけで、唇を塞がれる。バスルームで交わしたような貪るようなキスではなく、穏やかな愛情を感じるキスだ。

 一度唇が離れ、トロンとした目で彼を見つめると、大雅さんは私の体をぎゅっと抱き寄せて、静かに囁いた。

「なにがあっても離さない。絶対に」
「……はい」

 こんなに幸せなバレンタインは、人生で初めて……。

 私は彼の腕の中で目を閉じ、しみじみと満ち足りた気持ちになるのだった。

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