エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
さて、そして迎えた朝、今現在。やっぱりいくら考えても、彼の『結婚するしかない』発言の意味が、よくわからない。
「あの……そんな、責任とか感じなくて大丈夫です。昨夜のことは、津雲さんだけが悪いんじゃありませんし」
「そういう問題じゃない。恋人でもない男が嫁入り前の娘に手を出したと知ったら、浅見の親はどう思う? 娘が検察官になることを反対したくらいだ。きっと悲しむし、相手の男を憎むだろう」
「いえ、別にそこまでは……」
ちょっと深刻に考えすぎではないだろうか。そもそも昨夜のことを親に話せるわけがないのに。
「俺では、夫として力不足か?」
真剣な眼差しで問いかけられても、困ってしまう。津雲さんを男性として意識したのは、昨夜が初めてだったんだもの。
でも、改めて考えてみると……津雲さんにはマイナス要素がひとつも見当たらないことに気づく。
仕事ぶりは尊敬できるし、正義感の強い性格も自分似ていて話が合う。容姿は文句の付け所がないくらい整っていて、体の相性も悪くなかった……。