エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
くすぐったい初デート
日曜の朝、八時。私は北千住の自宅アパートで、緊張しながらスマホを耳に当てていた。
津雲さん、まだぐっすり寝てるのかな……。
呼び出し音がなかなか途切れないので、また五分後くらいにかけ直そうかとあきらめかけた時だ。
『ん……浅見?』
いかにも寝起きという感じの、気だるい声の彼が応答した。その無防備で隙だらけの雰囲気が、なんだかセクシーだ。思わずドキッとしたことがばれないよう、平静を装って挨拶する。
「あっ、おはようございます。よかったです、起きられて。じゃ、私はこれで――」
『おい……まだ切るな。半分頭が起きてないから、なにか話してくれ』
「なにかって……?」
『なんでもいい。その間になんとか目を覚ます』
彼がそう言った後、布団が擦れる音がした。ベッドの中で寝返りを打ったらしい。
朝が苦手というのは本当なんだな……。
彼のそんな意外な素顔を明かされたのは、昨夜電話で話をした時のこと。