エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「とりあえず、ヨーグルトを食べて体にエネルギーを……」

 ワンルームの片隅にあるキッチンに移動し、胸の高さまでの小さな冷蔵庫を開ける。

  料理はしないがヨーグルトだけは常に数種類ストックしてあり、プレーンからフルーツ系、ドリンクタイプなどの中から、その日の気分で選ぶのが朝の恒例行事。

「今日は大事な初デート。タンパク質たっぷりのギリシャヨーグルトにしよう!」

 冷蔵庫からカップを出して、キッチンで立ったまま食べ始める。濃厚でクリーミーな味わいに思わず頬が緩み、食べ進めるごとに体に栄養が行き渡っていく感じがした。

 それから着替え、メイクを済ませて、姿見の前で最終チェック。

 服はタートルネックセーターにタイトなペンシルスカートを合わせ、髪は低い位置でお団子に。いつもより気合の入ったメイクは、ボルドー色のアイシャドウがポイントだ。あとはもちろん、いつもの眼鏡をかけている。

「……なんか照れるな」

 仕事の時もスカートやワンピースは着るけど、スーツ代わりの地味なものばかり。

 デートとはいえ、いきなりこんなに気合の入った格好を見せて、津雲さん引かないかな……?

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