エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「残念。あっち向いちゃいました」
「浅見みたいな美人に見られて、照れたんじゃないのか?」
「メスだったら、津雲さんほどのイケメンに見られて恥ずかしかったのかも」

 言ってから自然と津雲さんと目が合い、流れるくすぐったい空気に耐えられなくてお互いパッと目ををらした。

 な、な、なんか……ものすごくバカップルっぽい会話を交わしてしまった……。

 熱くなる頬を両手で挟んでなんとか冷まそうとしていると、津雲さんがややぶっきらぼうに「行くぞ」と言って、水槽の前を離れる。

「あ、待ってください……!」

 慌てて彼の背中を追いかけ、ふと明るい場所に差し掛かったその時。彼の耳が真っ赤に染まっているのに気づき、ドキ、と鼓動が音を立てる。

 津雲さん、めっちゃ照れてる。やばい。今日ってずっとこんな甘酸っぱい雰囲気……?

 ちょっとデートっぽい空気が流れただけでお互いそわそわして、どっちかが照れたら伝染したようにもう一人も照れて、まるで十代の思春期同士みたい。

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