エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
しばらく買い物を楽しんだ後、津雲さんがお手洗いに行くと言うので、私は通路に設置されたベンチに一旦腰を落ち着けた。
なにげなくバッグからスマホを出すと、新着メッセージが一件。
「あ……志保からだ」
呟きながらその内容を確認するなり、ドキッと鼓動が跳ねる。
【ちょっとちょっと! なんでいきなり鬼畜の津雲とそんなことになってんの!? 詳細の報告求む!】
志保こと宮前志保は、私と同じく東京地検の検察事務官。同期かつ同い年で、最初に配属された事務局部門の部署で親しくなった。
志保は今でも事務局部門のままだが、たとえ職場が離れても、なんでも話し合える貴重な友人。時々休日にランチしたり、一緒に映画を観たりもする仲で、昨日の夜【明日暇なら遊んで~】と連絡があったため、私はちょっと迷ったけれど彼女に真実を話した。
【ごめん。明日は津雲検事とデートなんだ】――と、いたってシンプルに。その返事が、今頃きたわけだ。
私はスマホを操作して、返信を打つ。