エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

【わかった。来週どこかで一緒にランチしよ】
【了解。本当は今すぐ色々聞きたいけど、ふたりの邪魔をして津雲さんに恨まれたら怖いし、我慢しとく】

 志保の返事に思わずクスッとなるが、本当の津雲さんは、それほど怖い人じゃないんだよと心の中で呟いた。

 ランチの時に、その辺りも志保に詳しく話そう。津雲さんの仕事ぶりを知る彼女は、きっと驚くだろうなぁ。

 志保の驚愕の表情を想像し、思わずひとりで微笑んでいたその時だった。

「ちょっと、離れてくれないか……?」
「ごめんなさい。まだ、震えが止まらなくて……」

 津雲さんの声がしたのでパッとその方向を向き、私は一瞬呆然とした。

 彼が、見知らぬ若い女性と腕を組んで歩いているのだ。緩いパーマのかかった栗色の髪に、儚げな印象の顔をした美人……。ええと、誰ですか?

 津雲さんは気まずそうに私の目の前に戻ってくると、隣の女性に優しい声で言った。

「さっき話した、相棒の検察事務官だ。女性なら、少しは事情を話しやすいだろう?」

 事情? それに私を事務官だと紹介するということは、なにか物騒なことでも起こったの……? 

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