エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「そうは言っても……恋人同士だからといって、暴力は許されない犯罪です。逮捕して、相応の罰を受けさせないと。あなたの体の痣も、重要な証拠になります」
「いやっ。津雲さん、この人怖い……!」
彼女は悲鳴をあげ、津雲さんの体に抱きついた。
な、なんで……? 私、責めるような口調になってしまった……? だとしても、津雲さんに気安く抱きつかないでほしいんですが……。
津雲さん自身も困った様子だが、相手は先ほどまで暴力を受けていた女性だ。彼女を無理に引きはがすようなことはせず、冷静に諭す。
「あの男を野放しにしたら、きみのような犠牲者がまた増えるかもしれない。どうか、詳しい話を聞かせてくれないだろうか」
「話して……彼から、報復されないでしょうか」
声を震わせながら話す彼女に、津雲さんは誠実に対応する。
「心配なら、警察に頼んで護衛をつけさせよう」
「……津雲さんに守っていただくのは無理でしょうか」
女性が、潤んだ瞳で上目遣いに彼を見る。寒気がするような、媚びた視線。
……なんか、私の存在が無視されているような気がしてならないんだけど。