エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

「ちょっと待って。あの津雲検事が酔った勢いでって……想像できないんだけど。彼、ベッドの中では甘い言葉を囁いたりするの?」

 興味津々に聞かれて、頬が熱くなる。あの夜の彼の甘さは、たぶん、志保の想像以上。うっかり話そうものなら、ますます興奮して根掘り葉掘り聞かれそうだ。

「そ、そこは深く聞かなくていいじゃん。ランチタイムに話す内容でもないし」
「え~っ。仕方ないなぁ。じゃ、それはまた後日追及するとして……続きは?」

 不満そうな志保に促され、気を取り直して話を続けた。そして昨日のデートで起きたことまで説明し終わると、志保は渋い顔をした。

「なーんか裏がありそうだねぇ、その女。津雲検事もそれがわかってるから、あえて無下にはせず女の出方を窺ってたんじゃない?」
「うん。私もそう思うんだけど……昨日はなんか、冷静になれなくて」

 ひと晩眠ってから改めて思い返すと、昨日の自分の態度は大人げなかったと思う。後悔したってもう遅いんだけど……。

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