エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
「私はそう思うよ。ほら、もうすぐ昼休み終わっちゃうから、早く食べな。お腹空いて仕事でミスして、津雲さんに迷惑かけたらそれこそ後悔するでしょ」
「うん……そうだね、食べる。ありがと、志保、ちょっと楽になった」
話を聞いてもらったことで胸のつかえが少しはましになり、私はまだたっぷり残っているオムライスを急いで食べ進めるのだった。
執務室に戻った時、津雲さんは窓際でスマホを耳に当て電話中だった。私は邪魔をしないように極力音を立てずに自分の席につき、パソコンを開く。
午前中に担当した取り調べの調書の作成が途中だったため、資料を確認しながら黙々と続きを打ち込んでいく。
「……半グレ?」
その時、津雲さんの口から物騒な単語が出てきたので、私はちらりと電話中の彼を見た。
また半グレがらみの事件か……。
このところ、若者を中心としたメンバーで犯罪を行う半グレ集団が、あちこちの繁華街で勢力を拡大していて社会問題になっているのは周知の事実。
職業柄、その半グレがらみの事件が増えているのは私も身をもって感じていて、どうにか根絶できないものかと日々憂いている。