エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる

 次に会う時は、本人にもちゃんと伝えられるといいな……。

 どんな反応をするだろう。すっごく照れて真っ赤になる? それとも、『俺もだよ』と言って、甘いキスを――。

「ひゃぁ~っ!」

 自分の妄想に勝手に悶えて、ベッドの上をゴロゴロと転がる。
 
 この間のデートでは、手を繋ぐくらいのことしかできなかったから……次の週末には、もう少し彼との距離が縮められますように。

 私はしばらく乙女チックな思考にどっぷり浸りぽうっとしていたが、ふとあることを思い出し、ガバッと上半身を起こして呟く。

「そういえば、三船さんのこと相談するの忘れた……」

 ……ま、いっか。
 私は津雲さんのことが好きなのだ。三船さんから電話があったら、正直にそう伝えてお見合いは丁重にお断りしよう。

 ハッキリ決めてしまうと気楽になり、母への怒りもおさまってきた。

 同じ家の中でいつまでもお互いツンツンしてたら疲れるし、一階で夕飯を作る手伝いでもするか……。

 さっきの津雲さんとの電話ですっかり心が丸くなった私は、足取りも軽く階段を下りていくのだった。

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