エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
不器用な彼からのプレゼント

 実家には二泊し、久々に充実した食生活を送ったためすっかり元気が戻ってきた。

 一月二日の夜に東京に帰ってきて、三日は当番勤務のために出勤。それが終わればすぐに土日になるので、ようやく津雲さんに会える。そう思うと、がぜんやる気が湧いた。

 同じく当番だった検事は五十代のベテラン女性検事、益子(ましこ)さんで、当日は彼女の執務室で仕事をした。

 津雲さんとはまた違ったアプローチで進んでいく取り調べはとても興味深く、勉強になることも多かった。

「すごく親身になって共感なさって、被疑者からスルスルっと証言を引き出す……なんだかすごい職人技を見せていただいた気分です」

 仕事を終えて帰る前に、一日一緒に仕事をした益子検事に素直な感想を伝えると、彼女はフフッと上品に笑って言う。

「津雲検事は怖いものね。でも、あの潔癖なまでの正義感は、私も見習うべきところがあるわ」
「益子さんほどのベテランでも?」
「もちろん。彼は間違いなく出世して、今後検察を動かしていく立場の人間になっていくでしょうね。……入れ替わりのように出ていった、ちゃらんぽらんな誰かさんとは大違い」


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