𝒄𝒉𝒐𝒄𝒐𝒍𝒂𝒕𝒆. I
「崎田…?」



そう。



そこには、つい先程私が名前を間違えそうになった崎田日向が壁にもたれかかっていた。



しかも、かなり血だらけだ。



「ねえ、大丈夫?」



と声をかけると、彼はうっすらと目を開いた。



「おまえ…誰だ?」



崎田が私に尋ねた。どうやら緑高の制服を着ているから、警戒はしていないようだ。



「私、2組の春瀬日向。それより、救急車呼ばなきゃ。血だらけだよ」



「…救急車はいい」



「へ?」



私は目を丸くした。



こんな血だらけなのにどうして救急車を頼らないのか。



ーきっと、理由があるはずだ。
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