𝒄𝒉𝒐𝒄𝒐𝒍𝒂𝒕𝒆. I
ーようやく入学式も終わった。
正直言って、なんだか異世界に来たみたい。
小学校も中学校もよく知っている人たちばかりだったから、こういう風に知らない人ばかりいるのはちょっと疲れる。
話しかけたいけど、もし拒否られたらどうしよう…とか思うともうムリ。
「どうしたの、ひなちゃん」
と、私の友達である紗季が声をかけてきた。
紗季は私のことを「ひなちゃん」と呼ぶ。
日向としか呼ばれることがなかったから、割とこの呼ばれ方は気に入っている。
「紗季ー、私もう無理ー」
「もー、大袈裟だなー。
入学式一回来ただけでしょ?絶対1人は友達出来るって」