アイドル絶対殺戮戦線
神咲さんが聞いていたら間違いなく軽蔑した目で見られそうな寒いダジャレを口にして、生徒は去っていった。


その背中に「ありがとう」と投げかける。


あと、廊下の向こうに神咲さんがいたから気をつけてね?


生徒が去っていった廊下からは、きゃあああと悲鳴が聞こえてきた。


何が起こっているかは、意識的に探らないことにする。


しばらくして、廊下の向こうから神咲さんが歩いてきた。


じっと前を見据えて、無表情でこちらに向かってくる。


「……早い段階で三門さんを潰しておこうって算段? 怖い女だね」


「花菱さんを見殺しにした貴女ほどじゃないわ」


1度も目を合わせないまますれ違った私と神咲さんの間を、風が通り抜けていった。


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