アイドル絶対殺戮戦線
狙うべきは、あまり人気でない、それでいて自分の魅力を最大限に引き上げてくれるドレスだろう。


私が目を凝らしている間にも、生徒たちは早いもの勝ちのようにドレスの元に向かっていく。


残ったのは、私含め十数名の生徒だった。


彼らはわかっている。この勝負が後手の方が有利なことを。


神咲さんのような圧倒的強者であれば、ドレスを先に選ぶことは他の生徒たちへの牽制となるだろう。


だけど私のような弱小生徒が選んだところで、その効果はない。


それどころか、目を伏せる必要があるため周囲の状況もわからず、不利な状況に追い込まれても気づけない。そんな未来が丸わかりだ。
 

できれば最後の1人になるまでみんながどのドレスを選ぶのか観察していたかった。


だけどそれをしていてもらちがあかないことは自明だったので、私はあるドレスの元へ足を進めた。
< 137 / 327 >

この作品をシェア

pagetop