アイドル絶対殺戮戦線
私が選んだドレス。それは……。


薄いピンクのオーガンジーの生地に可憐な小花が咲く、まるで妖精のようなドレスだった。


まさに王道アイドルというようなそれを、私以外にも多くの人が狙っていたのには気がついていた。


だけど事実、今このドレスの前に私以外の人は立っていない。


それはこのドレスのウエストに理由があった。


ウエスト50もあるのか疑わしいような細く細く絞られたドレスは、多くの生徒を威圧していた。


かわいい。着たい。けど。


ドレスは1度選んだら変えられない。


もしウエストが入らなかったら……そう思うと、みんながこのドレスを選ぼうと思わないのは理解できることだ。
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