アイドル絶対殺戮戦線
私の耳を貫いたのは、連続した大きな破裂音だった。


いつの間にか、壇上には機関銃がセットされていた。


黒々とした銃口が狙っている先は、もちろん里野さん一択。


一連の音が鳴り止んだあと、それでも最後の力を振り絞ってマイクに向かって手を伸ばした里野さんの白く細い手を、またも弾丸が貫いた。


2度、3度と里野さんの体が跳ねる。


鮮やかな血がどろりと足元まで迫ってくる様を幻視して、私は思わずそこから飛び退いた。


再度見た床には、もちろん血なんて一滴も落ちていなかったのだけれど。
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