アイドル絶対殺戮戦線
「……っ!」


暗い中を手探りで進んでいたから、机の角に足をぶつけた。


そこまで痛くはなかったけれど、私の体は商品だ、傷がついていないか心配になる。


寮に帰ったら明るいところで確認しよう。そう決めて顔を上げた――、


「…………学園、長」


「お待ちしていましたよ、大宮さん」


光沢のある青のスーツが、怪しい色に光って私を見下ろしていた。


堂々が手元のひもを引くと、骨董品のようなランプに明かりが灯る。


ぼんやりとした黄色が、室内を照らす。
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