アイドル絶対殺戮戦線
茜は本気のようだった。力強い瞳がまっすぐに私を射抜く。


たしかに、1番に権利を行使すればそれだけ注目度も高いかもしれない。


茜は立ち上がり、壇上へ1歩また1歩と足を進め始める。


私はぐるりと講堂内を1周見回した。


茜の他に、壇上に向かおうとしている人はいない。


――チャンスかも。


動き始めた歯車は、止まらなかった。


「ま、待って……!」


気がつけば私は、茜を呼び止めていた。
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