アイドル絶対殺戮戦線
「そろそろ3時ね」


華奢な手首につけられた銀色の腕時計を眇めて、明日菜が言った。


横から時計を覗き込んで見れば、たしかに繊細に形作られた長針が12を指そうとしている。タイムリミットギリギリのミッション達成だったらしい。


「ここにいてもやることもないし、先に講堂に向かっておきましょうか」


先立って部屋を出ようとした明日菜を、「待って」と気づけば呼び止めていた。


「……どうしたの?」


きょとんとした表情で、明日菜が振り返る。


「うん……あの、言おうか迷ったんだけど……」


「何よ。言うなら言う、言わないなら言わない。はっきりして」
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