アイドル絶対殺戮戦線

3人目

下腹がそわそわと疼くのは、効きすぎた空調のせいだけではないだろう。


「……みんなもうグループ組んだのかな」


誰が呟いたのか、それともわたしが呟いたのか、そんなことも判別できないくらいに脳に酸素が渡っていなかった。


それでも運命は刻一刻と近づいてくる。


……17時まで、あと少し。


 ✳︎♡✳︎


「結構みんな集まってるみたいスね」


さっき見せた鋭利な笑みが幻だったように、すっかり毒気の抜けたみゆきが明日菜に同意を求めた。


だけどさすが【氷の女王】。一瞥をくれただけで何も言わないものだから、私が代わりに答えてやる。


「そうだね。このまま全員生き残れればいいのにね」


「あ、七歌には言ってないんだけど」


「あ゛?」


「ごめんごめん。冗談だって」


危ない危ない。舌うちをしかけて、ここが大量のカメラに見守られる講堂内であることを思い出す。
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