アイドル絶対殺戮戦線
【お疲れ様でした】


講堂を出た私に、葛西さんからのメッセージが届く。


【ありがとうございます。ちょっとずる(・・)って感じでしたけど】


【いいえ。少なくとも僕は、有名人の娘だから七歌さんに声をかけたわけではありませんよ。七歌さん自身がひたむきにがんばったから、出来上がった舞台でした】


……どうして。


「私がほしい言葉を的確にくれちゃうのかな……」


カメラの画角の届かない講堂の陰で、私は1人声を殺して笑ったのだった。


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