アイドル絶対殺戮戦線
手鏡に映ったのは、赤黒く焼けただれた彼女の顔だっただろう。


B組でもかわいいと評判の生徒だった。


しかし今、その面影は一切ない。それどころか、人間だったことすら信じられないようなおぞましいモンスターへと彼女は変貌していた。


どろどろと溶け出した皮膚が貼りついた制服と一体化し、失敗作の蝋人形のようになっている。


「ああああああああああああああ!!!!」


咆哮を放ちながら、彼女は講堂の外へと飛び出していった。


とっさのことで、誰も止められなかった。


いや、あえて止めなかったのかもしれない。


彼女の他にもたくさんの生徒の命が失われていく。


ただそれを見ているしかなかった。
< 63 / 327 >

この作品をシェア

pagetop