アイドル絶対殺戮戦線
「う……うち、お父さん呼ぶ!」


そう言ってスマホをかざしたのは光莉だ。


たしか父親が警察官だったはず。


だけどすぐに、画面をにらんだまま動きを止める。


「連絡が、とれない……!」


スマホを持つ指に力が入り、ぷるぷると震えていた。


私も画面を開き110と打ち込もうとするけど、何度通話ボタンを押してもうんともすんともいわない。


「みなさん、静粛に」


と堂々の声が荒れる講堂内に響き渡った。
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