アイドル絶対殺戮戦線
だけど矢崎さんは、それで満足してはくれなかった。


「もっとこう……ないですか。学園内で人が消えたとかそういう……」


その言葉に、私はははーんと目を細くする。


矢崎さんのことを2流週刊誌の記者だと思ったが、それは2流週刊誌の記者に失礼だった。


矢崎さんは記者などではない。ありもしない都市伝説なんかを記事にして食いつなぐ、3流雑誌のライターだ。


そんなものに名前を載せられたら、卒業後の明るいアイドル計画に傷がつく。


だから私は「あっ」と口元に手を当てると、今ちょうど思い出したかのように言った。


「そうだ、卒業式前に集合写真を撮るから早く来てって言われてたの忘れてました。ごめんなさい、質問はまた今度!」
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