アイドル絶対殺戮戦線
それから何人もの生徒が壇上に上がり、その度に一喜一憂の声が上がって、最後に近くなってようやく私を指名したのは、B組の椎名音葉という生徒だった。


くりくりお目目のたぬき顔。それに反して、彼女の服装は黒一色のパンクロッカーだ。


「あんたがまさか第2幕まで残れるとは思わなかったけど、ここであたしが叩きのめしてあげる!」


唇に開けたピアスを覗かせて、彼女はニヤリと笑う。


それに乗じて


「え……こわぁい!」


とかわい子ぶって見せれば、雑に掲示板は盛り上がった。


その盛り上がりは音葉も予想外だったようで、「くっ」と唇を噛みしめている。


ふふ、あんたは普段の私を知ってるもんね。でもカメラの前の私はちょっと強いんだよ?


ざまぁ、とカメラに見えない角度で舌を突き出してやる。


……とりあえず私の1勝って感じ?


 ✳︎♡✳︎
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